資本主義(経済成長)は何故人を幸せにしないのか

■効率化、株式会社化することがどういうことかみていくと・・・

ある村のパン屋で10人で1日1000個のパンを焼いていたとする。

そこに機械を導入すれば効率が2倍になり、5人で1日1000個のパンを焼けるようになるらしい。しかし機械を買うには資本金がいる。そこでパン屋を株式会社化する。

そこで何が起きるか
①パン屋の経営決定権を持つのは株主となる。

そしてパンの製造方法を効率化した時、作業は楽になるだろうか、必ずしもそうではない作業効率の高めれば、例えばベルトコンベヤーに流れてくるパンをひたすら袋詰めする等、作業が単調になる可能性がある。
②生産力の向上は必ずしも作業を楽にしない。
また機械化し生産力を上げる場合、パンに食品添加物等を加えなくてはいけないかもしれない。
③生産力の向上は生産物の品質を落とす可能性もある。

■では次に経済成長という視点から資本主義経済を見ると・・・

まず働かざるもの食うべからずという前提で話をするなら、パン屋で生産率が2倍になった場合、5人の給料が倍になり、5人がクビになる。一つの村で経済を考えるのでここで外部にパンを売る等は考えない。

そこでクビになった5人が考えるのは働いてる5人の個人消費で生計を立てること例えばパチンコ屋、映画館、レストラン等を作り働いてる5人に客として来てもらう。

④経済成長とは個人消費を増やすことであるが、これは必ずしも個人の幸せに繋がらない、個人消費を促がすために広告・宣伝が必要になる。
⑤株式会社として競争にさらされると、常に利益の最大化に努めなくてはいけない。
⑥金融産業・株式市場が存在してると言うことは、常に投資が行われているということ、つまり経済成長が止められないということ

⑦資本主義国家となると政府が軍需産業を支えるために戦争したり、土木建設産業を支えるために無駄な公共事業をしたりする。

総括:人間一人ひとりのニーズに合わせ産業が存在するのではなく、投資家と経済成長のために人間のライフスタイルと産業が作られるようになる。


この記事を書く元ネタとなったもの

経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか (平凡社ライブラリー) (単行本) C.ダグラス ラミス (著),

ブランドなんか、いらない―搾取で巨大化する大企業の非情 (単行本) ナオミ クライン (著),

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物 (単行本) 安部 司 (著)

秘密と嘘と民主主義 (単行本) ノーム チョムスキー (著),

メディア・レイプ (単行本) ウィルソン・ブライアン キイ (著),

ザ・コーポレーション [DVD]監督: マーク・アクバー, ジェニファー・アボット

いのちの食べかた [DVD]監督: ニコラウス・ゲイハルタ