ベーシックインカムの可能性について

ベーシック・インカム入門 (光文社新書) (新書) 山森亮 (著)

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ベーシックインカム入門という本を読んで、働かなくて言い理由、労働と報酬に関する考え方についてそれぞれ思考・再考してみた。

働かなくていい理由
ベーシックインカムについて回るのが働かざるもの食うべからずという考え方。これは衣食住に事欠く時代に出来た価値観であることを認識する必要がある。
まず第1に私たちの豊かな生活は既に整備されたインフラによって成り立っているのであって、道路、上下水道、電気、通信、さらに工場、倉庫、住宅等・・それらを不必要に作り変えたり増設したりする必要はないので昔よりも仕事が減るのが必然である。
第2に製造業、建設業、農業などあらゆる産業において機械化とその技術の進歩によって一定の生産物に必要な労働人口は減っているのであって、人々の衣食住を満たすのに全員が働かなくてはいけないという考え方はおかしい
第3に経済を成立させるためには労働だけでなく消費も必要である。そう考えれば、働いてない人間も飯を食うし消費もする。カフェでお茶したり読書したりパチンコでもTVゲームでもそれは経済に貢献しているのだから、働くだけが経済活動ではない。
第4にそれでも1世帯1人が働らかなければいけないとしたら、その仕事は世の中にどのような影響をもたらすのか・・広告を使って消費をうながす。まだ使える建築物があるのに新たに建築物を作れば古い建物が廃れていく。余計に物が生産されれば環境にも景観にも悪影響を及ぼす。不必要な公共工事や戦争を誘発するかもしれない。

労働と報酬に関する考え方
ベーシックインカムとは赤ちゃんから老人まで働いている・いないに関係なくまた家族と住んでいようが独り暮らしであろうが関係なく支給されるものだが、それは働かないと報酬が得られないという今のシステムよりもずっと理にかなっている。現実の人々生活を見てみよう。
まず仕事として第1に家事仕事がある。第2に子育てという仕事がある。第3に家の外で報酬を得るための仕事がある。支出として?自分にかかる(食事と衣類等・・)支出、?家賃?子供にかかる費用がある。簡略化するために生活するのにしなくてはいけない主な仕事が3個生活にかかる主な支出3個に分けてみると・・
例えば母子家庭の母親であれば仕事3個をこなし、かつ支出も3つあるわけである。
一般的な子持ち夫婦であれば、仕事は子育ては分担したとして1人1.5個で支出は?が2つだから4個
子供なしの夫婦共働きなら、家事仕事を分担するから1人1.5個で支出は子供がいないから3個ただし収入は倍
自宅暮らしの社会人だと、仕事は1個で支出も1個
これはどうみても不公平じゃないのか、仮に収入が同じでも不公平だし、まして母子家庭では夜遅くまで残業出来ないだろうから収入もすくないだろう。実際には仕事は3つと言っても量は同じでないし、周囲からのヘルプもあるし、支出も3個以上色々ある。またベーシックインカムが平等性を実現するものでもないというのも分かると思うが、少なくとも子持ちの家庭の負担を減らせる点で今の社会よりもずっと理にかなってると言える。

実現の可能性について
支給したら誰も働くなるのでは・・経済と国家財政が成り立つのか・・消費税から出すのか法人税からになるのか・・についての懸念はある。詳しくは本やHPの中でベーシックインカム推進派の中にも色々な主張があります。