職場からhallo hallo hallo how low?

今さらなんだが自分の仕事について語ってみようかと思う。というか何故今まで語らなかったのか?ようするに後ろめたいのだ。おそらくこのブログを見てる人なら「辞めちゃえよ。そんな仕事。」「言ってる事とやってる事が違うじゃないか」「思いっきり資本主義に加担してるだろ」なんて非難の声が聞こえてきそうだ。だが語らなければもっとひどくなる。語れば少しはましになるかもしれない。

思えば父親も親戚のおじさんも、兄も仕事については詳しく語りたがらない。学校でのこと、クラスメイトに面白い奴がいて・・とか英語の先生がつまんなくて・・とかそういう感覚で語れない。まるでイジメに遭ってることを話せないでいるみたいに・・父から「社会にでると癖のある人が多いからね」なんてアドバイスを受けたことがあるけど、ようするに精神的に病んだ人が多いのだ。トヨタに勤めるおじさんは自分の子供には同じ職について欲しくないと言っていた。それ以上詳しくは話したがらなかった。

さて私の仕事はゼネコンの現場監督という仕事である。朝は8時の朝礼に始まり、そこで今日の作業内容を確認してから、職人さんに作業内容を説明したり、墨だし、工事記録写真、職人さんとの打ち合わせ、等などを行なう。作業着で仕事をし、現場では基本的にヘルメットと安全帯をつけている。職人さんの作業は基本5時で終わるが、工程上夜の7時、あるいは深夜に及ぶこともある。仕事内容だが
・墨だし、測量、工事記録写真、安全書類  ・現場で使うリース品などの管理、コンクリートや仮設材等の数量の拾い  ・業者との打ち合わせ、工程管理  ・施主、設計との打ち合わせ、予算管理
前に書いたのが下っ端の仕事で後に行くほど立場が上の人の仕事、最後の予算管理は絶対現場所長の仕事になる。基本若いときほど現場にいる時間が長く、上の立場になると事務所にいる時間が多いが責任も大きくなる。予算管理、工程管理、安全管理、品質管理(建物の品質)、環境管理(近隣への苦情等)の5つの管理が現場監督の仕事と言われる。以上、工事現場を知らない人にも分かりやすく書いたつもりなんだが・・

さて自分の近況なんだが、ここ1ヶ月半休んでない(ようするに日曜日なし)それでも朝は6時半に家を出て夜は10時に帰れるだけましかもしれない。土日は夕方6時に帰ってるし・・以前1番ひどかった現場では朝は6時出、夜は終電、最後は事務所に泊まりこみだったので・・

建設業界で聞かれるのは「やってられねえ、食っていけねえ。」ってこと。いわゆるデフレスパイラル、ゼネコン同士の競争で、工事を受注する際いかに安く、工期を短くとるかを競うからどの現場も工期も予算もない。予算がない中、例えば鉄筋工事これだけの量いくらでやってくれ。内装工事いくらでやってくれ。下請け業者も仕事がない中、価格競争があるから安い単価で受けざるを得ない。しわ寄せは下請けの職人さんにくる。だから最近の職人さん、中国やフィリピン人、独身の人、身寄りのない人が多い、(新規入場のとき、緊急連絡先を書かせるので分かるのだ)
ちなみに職人さんが仕事を請けるとき、請負と常用というのがあって、請負というのは鉄筋トン数単位でいくらボードなら平米単位でいくらという風に最初に取り決めする場合。この場合1日に少しでも多く鉄筋を組めば・・ボードを貼ればそれだけ儲かるわけだから、職人さんは必然的に職人さんの仕事は速く、効率的になる。正に資本主義という感じ。一方常用というのは1日でいくらと取り決めだから、基本8時から5時までいれば、仕事量に関係なく1万5千から3万程度払うというシステム。「昔は請負でやれば大抵は儲かった。でも今は請負金額が安すぎて常用の方が儲かるんだ」ってのが職人の弁。

この安値競争で品質や安全面は低下してると言わざるを得ない。職人さんも丁寧に仕事してたら食って行けない。だから塗装でも3回塗る所を1回で済ますとか、その手の手抜き工事が多い。鉄筋の本数とコンクリート強度みたいにこれだけは抜けない聖域みたいな部分もあるが、それでも予算がないから抜けるところは抜こうという感じである。

語りだすときりがなくなってくるので一旦やめるが、今後色々仕事について書いてみようと思う。職場には鬱病ぎみの人が多い。社会人と責任感という呪いのせいだ。・・