もっと生活が楽になる方法

「最初の数年は「あの人より自分の方が高給だ」とか「自分の仕事の方が高い評価を得ている」というような同族間の比較がモチベーションを維持するかもしれない。だが、そのようなものはいずれどこかで消えてしまう。その後の長い時間は自分自身で自分の労働に意味を与えなければならないけれど「自分のために働く人間」にはそれができない。私たちの労働の意味は「私たちの労働成果を享受している他者が存在する」という事実からしか引き出すことができないからである。」ひとりでは生きられないのも芸のうち/内田樹

「大きな損得勘定で考えると今の社会に刷り込まれた小さな「損得勘定」はむしろ人生にとってマイナスばかり生み出してるということですね。(中略)「自分は損してる」という怒りを感じたとき、それを批判的な言動として意思表示したら、相手との良い関係が途端に崩れてしまいますね。それを理解してる人はネガティブな感情を自分のなかで一生懸命抑え込んだり、修復しようとしたりする。しかし、そこでものすごいエネルギーをロスしてしまう。ならば、もし小さな「損得勘定」に自分が囚われないで生きることができたら、その分無駄な精神エネルギーを使わないから疲れなくなるし、心に余裕や落ち着きが出てくる。」心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」/名越 康文

現況の経済システムを外から理論的に批判してみても、いざ働いてみたりすると色んなことに気付く。理論的には反資本主義は「働かない・消費しない」のサイレント・テロが正しいけど、いざ働いてみると充実していたり、逆に働かないと退屈で辛かったり・・働いてみて不思議なのは反資本主義な自分が「良く働くね〜」と言われること、自分ではただ体が動くがままに働いてるわけで、さぼろうともがんばろうとも思ってないのだけど・・逆に資本主義にどっぷり漬かってる人は本当にいやいやしか働かない。

そこで分かるのは資本主義的な考えというのは、

  • 仕事はいやいやするもの、損するもの
  • 仕事は自分のためにするもの
  • 仕事の代償として休みと給料がもらえる
  • 損したら、得しないといけないギブ&テイク

反資本主義的だと

  • 仕事はそれ自体が喜び
  • 仕事は誰かの幸せのためにするもの
  • 給料は生活に必要なだけ、休暇は体が休める程度あればよい
  • 小さな損得勘定に囚われるよりギブ・ギブ・ギブ

自分も工事現場監督という仕事をして、上司や職人さんを見てて思う。上司は「うちの会社は安月給で休みも少ねえ」と1日たばこ何10本も吸ってる。職人さんは生活苦しいといいながら、ギャンブルやキャバクラにお金使っちゃう。これは上記資本主義的な考えに囚われてるからではないだろうか?だから働いたからにはその代償を求める。そして経済的にも精神的にも苦しくなる。

以前派遣社員をしていた時自宅待機になったとき、最初は死ぬほど喜んだ。やりたくない事をやらないでいい。やりたいことをやれる。ただ喜んだのは最初の1週間だけで、後は毎朝起きるのは10時過ぎで、何をするでもなし、鬱々とした日々になってしまった。(ドロップアウトしても満たされない理由、「やらなきゃいけないこと」が幸せをもたらす - 社会考察日記 azalea)だから仕事がきつくても思うのはこんな仕事でもないよりましだってこと。仕事をするということはストレスを抱えて損する面もあるかもしれないが、しっかり喜びも享受してるのだ。履歴書に空白なく働いている人はそのことに気付けない。日本には履歴書に空白があると再就職が難しいという意味不明な決まりごとがあるがこれは仕事の喜びに気付かせないための陰謀ではないだろうか?

テクノロジーが発達した結果、世の中の8割の仕事が社会の役にたってないかもしれない。でも一方でどんな仕事でも喜んでくれる人が1人くらいはいるだろうと思う。たとえマクドナルドでバイトでも店内やトイレをきれいにしてきちんとサービスすれば誰かが喜んでくれる・・

なので、今すぐ理想の世の中などこないのだったら、仕事じたいが喜びであることに気付く。小さな損得勘定に囚われない。・・・ことで精神的にも経済的にも今よりずっと楽な生活が送れることに気付いて欲しいと思う。