2010年代はどんな年代?

あけましておめでとうございます。2010年代になるのですね。

よく80年代、90年代みたいに時間を10年代で区切る。80年代の日本は・・90年代の○△は・・・だいたいそれは戦後の事を語るのに使われるわけで(30年代、40年代というのはあんまり聞かない)、戦後の日本はずっと対米追従の資本主義できたわけだけど、それもやっぱり年とともに色んなものが変わってきたはず。

食品添加物の実態について語った本「食品の裏側」の作者が「70年代食品添加物を売ることに疑問を持たなかった。それによって朝4時に起きるようなきつい仕事の負担が減るのだから。社会を良くする仕事だと思ってた。」と書いている。

前から散々資本主義=経済成長で資本主義は悪だと思ってたけど、人々が衣食住に事欠く時代なら、別に経済成長することに反対しない。自分は81年生まれだから適当な憶測で書いちゃうけど、
70年代:貧困はなくなり、うまく再分配されれば衣食住には事欠かない時代、ここで経済成長を止めておけば・・という時代
80年代:個人消費で経済成長する時代、余計なものを買わせる時代
90年代:経済成長的には消費も頭打ちで限界、でも赤字国債、派遣制度、過剰労働で無理やり経済成長、文化的には消費するのが当たり前みたいな時代
00年代:国民は消費に飽き飽きでも、90年代と同じような感じで無理やり経済成長

とはいっても自分にとって、実体験としてあるのは90年代と00年代だけ・・でも自分の中で90年代と00年代はけっこう違う。

違いその1 
90年代の日本はダメ論みたいなものがなくなった。自分が10代の頃というのは知識人(村上龍とか・・)も一般人も家で取ってた朝日新聞もテレビニュースも口をそろえて日本はダメな国で世界基準に達していない。実際、何がどういう風にダメかそれは政治だったり若者だったり英語力だったりサッカーだったりするわけだが、話が始まる前提として日本がダメみたいのがあった。もちろんその中には歴史問題もあり、右翼、左翼の話になるからいやなのだが、日本=ダメイデオロギーがなくなったのはいい事だと思う。それについて色んな意見があるだろうが、自分としてはネットの影響でみんなメディアを疑うようになったのが大きいんじゃないかと思う。

違いその2
全く私的な話なのだけど、フィクションよりもノンフィクションを観る読む機会が増えた。90年代は、小説と芸術映画だったものが00年代では新書とドキュメンタリー映画になった。音楽と漫画は全くといっていいほど、聴かなく観なくなった。90年代は抽象的なもの、芸術であれば楽しめたけど、00年代は具体的でリアリティーのあるものじゃないと楽しめなくなった。ということかな。90年代は商業音楽や商業映画が氾濫することに対抗してパンク音楽、アングラ音楽、カルト映画等観まくってたけど、00年代は資本主義への対抗策はもはや聴かない買わないこと・・ということなのかな。個人的な話だが、でも音楽も本も売れなくなったことを見ると自分だけの問題でもない気がする。

違いその3
00年代は希望がない・・・これはあんまり認めたくないけど認めざるを得ないというか・・90年代にアメリカが悪いのか、企業が悪いのか、政府が悪いのか、そんな構造を解き明かそうとした結果が00年代の希望のなさなのかなと思う。それは経済成長を続ければ破滅しかない、でも世界は経済成長を続けることだったり、映画「コーポレーション」が描くように企業が諸悪の根源でも我々の生活は企業に支配されてることだったり・・・でもまだサイレントテロとかベーシックインカムとかが自分の希望なのかな。

さて10年代が始まるわけだけど、どうなるのか・・いい事あるといいな