「災害ユートピア」から学ぶべきこと

まだ、読みかけなんだが、紹介してしまおう。世界、各国で地震、災害、テロが起きた時、必ず共同体が立ち上る。東日本大震災の後、日本人の間に今までになかった共同体による助け合いがあったがそれは別に日本人特有のものではない。アメリカでもメキシコでも過去に起きたことなのだ。
亜紀書房 - 亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ Ⅰ-7 災害ユートピア なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか
http://jfissures.wordpress.com/2011/03/30/rebecca-solnit/:著者からのメッセージ和訳つき
http://diamond.jp/articles/-/12839:著者インタビュー

原題を直訳すれば地獄の中の楽園、そして著者はなぜその楽園を平時に築くことができないのか、と問題提起する。その答えをすでに何度かこのブログで考えてみた。『人は困難に直面しなければ変わらない』って文を前回の記事で引用した。仕事がないと朝起きれなかったり、2学期が迫らないと夏休みの宿題が手に付かない理由についてずいぶん前に考えた。『現実には自由などない現場から・・・ - 社会考察日記 azalea』 人は外部から強いニーズがないと行動を起こせない生き物なのだ。

そう考えると楽園を妨げるもの、普段私たちを憂鬱にさせているものは何だろう?実は便利さや物質的に豊かさなのかもしれない。便利さや物質的な豊かさこそ人の幸せだと考える人もいる。そういう人は企業の新商品に迷わず飛びつく。それに少し疑問を持つと、便利さや物質的な豊かさにはデメリットもあるんだよ・・という人もいる。けど私は、便利さや物質的な豊かさこそが人の幸せを奪ってる諸悪の根源なのだ・・と考えたい。

「復興は有意義な仕事だ。困ってる人を助ける大事な仕事だ。でも復興が進めばいずれそういう仕事も減ってきて、またいらないもの作っていらないもの売るような仕事をため息つきながらやるようになるんだろうか?電車は1分の遅れもなく動いて、コンビニには何でもそろってる。そうすれば誰とも会話する必要もない、誰とも助け合う必要もなくなってしまう。それって幸せなのか?今回の地震で相互扶助に幸せを感じたら、普段その相互扶助を殺してるものってなんだろう?って考えるべきだと思う。」そういえば地震のときもこんなこと考えていたんだね。『地震で気付く自分の小ささと愚かしさと・・ - 社会考察日記 azalea

災害、事故のような悲劇が楽園を生む矛盾。その矛盾を脱するには、人類は助け合うニーズを人為的に作り出すことができるだろうか。ということが鍵になる。そういう社会、そういう環境を人々が欲して民主主義的に作り出せるだろうか?そしてどんな行動を取れば良いのか?その実現のためにはもっと多くの人がこの矛盾について、何が人間の幸せなのかについて考える必要があると思う。

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