大学生活を分析する

自分の人生振り返って楽しかった時代というと思い出せないが、辛かったと言えば断トツで大学生活である。社会人になってどんな辛いことがあっても・・である。ここ数年読んだ本や自分の考察のもと、大学生活のどこが辛いの分析してみた。

  • 1、何の強制もない過度の自由はストレスである。

さて小中高ときて大学の大きな特徴は自由にある。高校の校風はそれぞれだろうが、大学は服装、時間割は本人の自由、朝遅刻するのも、授業に出るかも、昼ごはんをどうするかも、自由なのである。そして、大学にはコーチの役割をする人がいない。遅刻しても休んでも怒られるということはない。それと大学は、時期にもよるがそれほど忙しくない。空いた時間が沢山あり、それをバイトしてもサークルに使っても勉強するのも本人の自由なのである。

「さらに選択と共に大きなエネルギーを消費するのが、感情の動き。とりわけ「不安」である。必要な情報を見落としてないだろうかという不安。後悔しないだろうかという不安。自分で自己責任で決めるので後で自分を責めるかもしれないという不安」(しばられてみる生き方 軍隊式・超ストレスコントロール下園壮太
「人間は必要に迫られてこそ行動できる生き物である。」

自由な大学生活だけど、とりあえず単位を取って卒業しないといけないのである。それには大きなストレスがある。まずコーチの不在、例えば遅刻すると怒られるという環境では人が朝起きるのにそんなにエネルギーがいらない。しかし、自分自身の意志で起きなければいけなくなったとき、自分で自分を管理しないといけないとしたら、これは大きなストレスになる。そして、選択肢が多いということは必ずしも楽しいわけではない。どの服を着るかの選択が周りから浮かないかどうかの点でストレスになることもある。昼ごはんをどこで食べるかもストレスになったりする。

  • 2、大学の環境では、何も身につかない、何の人間関係も生み出さない

「語学は自分で1日10単語覚えるとか、自分に課しても身につかない。現地に行き覚えなければ生きていけない環境に身をおかないと身につかない」村上春樹

極論になってしまうが、大学では勉強の類は何も身につかない。人は必要に迫られた環境に置かれてこそ行動できる生き物だが、大学は自由さはその真逆の環境にあるからである。また助け合いが必要になったり、人と話さざるを得ない環境もほとんどないため、人間関係も生まれない。

  • 3、大学を有意義だと思い込むには遊ぶしかない

つまり、大学は個人の意志がどうであろうと、無意味な所という結論だが、大半の人は4年間通って卒業しないといけないのである。人間の本能として人生1日1日有意義に過ごしたいと思うものである。自由であれば自由であるほど有意義な時間を過ごしたいという思いは強まる。逆に無意味で退屈な時間には耐え難い。4年間であれば拷問にもなりかねない。そしてもちろん誰であっても1人は寂しい。

そうであれば勉強は身につかないのだから、「遊ぶ」ことに価値があると思うしかない。世間のステレオタイプの楽しい大学生活に感情ごと押し込めるしかない。「友達が100人いてメールアドレス交換して、サークル、飲み会、コンパ・・」そしてそれが有意義だと思い込みたいもの同士でつるむ。

それが自由のストレス、1人の寂しさから逃れる手段なのだ。だが、そのステレオタイプの大学生活がニセモノだと気付いてしまったら、ひとたび疑問を持ってしまったらもうそこにはコネクトできない。疎外される。大学生が「リア充」と「ぼっち」に2分される理由である。