日本人は勤勉である

スローライフを望む人で日本人の勤勉さを嘆く人は多い。「日本人は働きすぎるからダメなんだ。外人の仕事はもっとルーズじゃないか」そういう意見に違和感を覚えたので考えてみた。フランスやイギリスなどでは店員が驚くほど無愛想でやる気がないことがあるそうだ。なんでそんなにやる気がないかというと、「サービスとは奴隷が主人に対してするもの」という考えが浸透してるので、あえてサービスしないようにしてるのだそうだ。
そこで私が思うのは労働観というのは食生活のように、歴史や風土が長い年月かけて培ったもので、そうそう変えれるものではないということなのだ。勤勉な日本人はダメだというのは、日本食がダメだというのに似ている。私は子供の頃に「日本人はタンパク質が足りない。もっと肉、牛乳、卵を食べないとだめよ。アメリカ人みたいに大きくなれないわよ。」と言われた。だがどんなにマクドナルドを食べようとステーキやパンや乳製品を取っても、日本人はご飯と味噌汁を捨てられない。逆に仮に日本食が世界一健康だったとしてもご飯と味噌汁がアメリカやフランスに浸透することはないだろう。外国人がご飯やみそ汁を食べるのは日本に旅行に来た時だけで良いと思う。
日本人の勤勉さを嘆いてもしょうがないのだ。それは長い年月かけて培われたもので変えられない。アメリカ人の真似をしてステーキやハンバーガーを食べても、イタリア人の真似してスパゲッティーを食べ昼寝しても、美肌とダイエットに良いと韓国料理を食べても、私たちは日本人以外になれない。幸せにもなれない。
同じく生活保護社会福祉制度についてもヨーロッパを見習おうという風潮があるが、労働観が違えば、そうして福祉制度も変わってくるのではないだろうか?http://alfalfalfa.com/archives/6190783.html
私の好きな陰謀論だけど、日本人が非西洋諸国で奴隷にされなかったのは、「日本人は、わざわざ奴隷にして鞭で脅さなくても働くのが好きだ。奴隷にするより飴で釣って働かせたほうが効率的だ。」と思われたからではないだろうか?
私の考えでは日本人が不幸になったのは働きすぎだからではなく、お金のために働くようになったからである。
戦後から73年オイルショック辺りまでの日本人は、「義」のために働き、食うために働いていた。働くことが社会につながってる実感があった。だがそれ以降、日本家庭のエンゲル係数は3割を切る。つまりは食うために働く時代ではなくなった。お金と消費のために働く時代になった。そしてその労働観のまま、バブル崩壊以降、労働モラル崩壊の時代に入っている。「移行期的混乱/平川克美
日本人は日本人らしく幸せになるしかない。異論、反論はあるだろうが、私はとりあえず日本人はどうあがいても働くのが好きなのだと思う。それはいい事でも、悪いことでもなく、優れているわけでもなく、ただご飯とみそ汁のように、日本人の捨てられない気質なのだ。こんなに不幸なのは、働くのが好きだからではなくて、どこかで労働観が歪んだからなのだ。だから日本人は外国をモデルにせずにオリジナルな幸福な国を目指すべきだ。