セットメニューが単品になる

「よく人は「幸せな結婚生活を送るために一番大切なことは何か?」と聞くわけですが、幸せな結婚にとって一番大事なことは「結婚における一番大事なこと」を探さないということなのです。なぜなら、幸せな結婚のためには、セックス、子供、経済面、相手の家族といったさまざまな38余の要素がそれぞれにうまく機能していかなければならないから。同様に、ある社会がうまく機能していくためには、38余の事柄がうまく機能していく必要がある。1番大事な一つのことに絞り込めないのです。」・・・ジャレッド・ダイヤモンド(知の逆転)

上記のインタビューを聞いてなるほどと思いつつ、疑問も持った。これからの世の中、今までは社会の通例としてセットになっていたものもこれからは単品で得られるようになっていくんじゃないだろうか?マクドナルドでハンバーガーセットを買う。ハンバーガー、ポテト、コーラで500円。でもよく考えたら俺はポテトが食べたいだけなんだ。本当はたいして食べたくないハンバーガーやコーラに400円も払いたくない。ポテト単品で100円で売ってくれ。

結婚についてもそうだ。よく考えれば俺はセックスしたいだけなんだ。そのために女の子と出会って、仲良くなって、デートして、プレゼントして・・セックスしたら、今度は結婚しなくちゃいけなくなって、一生の付き合いになって、働かないといけないし、相手の親に挨拶しないといけなくなって・・だから恋愛も結婚も衰退していくのだと思う。

おなじ事例として音楽産業の衰退が挙げられる。例えばセックスピストルズの音楽には娯楽、政治メッセージ、アートといった色んな要素が含まれる。akb48にも娯楽、セックス、メンバーへの共感といった要素がある。聞く人が自問しだしたらどうだろう?俺は娯楽が欲しいのか?芸術が欲しいのか?それとも政治の勉強がしたいのか?それは小説にも映画にも言えると思う。社会問題を取り上げたエンタテイメント小説を読むなら、社会問題は社会問題で勉強して、娯楽は娯楽で楽しむよ。自分は最近ドキュメンタリー映画や新書の本ばかり読んでる。

さて仕事についてはどうだろう。働くということにも38余の要素が入ってる。生活費を稼がねば、社会的地位が欲しい、世間体が、暇だと辛いから、・・就職活動と社会人というセットメニューに慣れすぎてしまった私たちは自問すべきなのだ。きちんと考えたことがないと、収入、やりがい、労働時間全てが欲しくなって全てに不満がでる。けど、金のためとか、暇つぶしとか目的を絞ればもっとうまく生きていけそうな気がする。